薪作り #3 伐木・玉切り・移動
いざ、木を切るぞ!
木の傾きと倒す方向を入念に検討し、 セオリーに従ってチェンソーで切っていくのであるが、常に条件がいいとは限らないし、目論見も外れることがある。
倒したい方向に向かって切ったつもりでも、うまくいかなければ他の木やそれらの枝に引っかかる、いわゆる「かかり木」になって倒れないこともある。
業者のようにクレーン車でも使えればいろいろなリスクは避けられるのだが、個人ではそうもいかない。
最低限、ロープやワイヤーを木のなるべく上部で結び、何かで引っ張って方向を決めてやる。
引っ張るのは人力ではとても無理。手近なとこでは軽トラが使える。持っていればバックホーでも引っ張れるし、バックホーならワイヤーをかけなくても押すことで方向を決めたり倒す補助もできる。
チェンソーで切りながらバックホーでワイヤーを引っ張っていたところ、最期の最期でワイヤーが切れ、急遽バックホーを移動して押しながら再挑戦した図。豪快でしょ。
バックホーがなかったり近くまで行けない場合は手動ウィンチを使う。
まず「枝打ちはしご」とか「木登り梯子」とか「モンキーラダー」と呼ばれる梯子でなるべく高い位置にワイヤーをかける。
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そしてそのワイヤーを手動ウィンチにセット。
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ウィンチはスリングベルトで切り株や他の頑丈そうな木の根元に何回か巻きつける。そのため、スリングベルトは丈夫で長めの方がベター。
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チェンソーで切りながらウィンチを徐々に締めていくわけなので、必ず相棒が必要となる。軽トラやバックホーを使うにしても当然もう一人必要。普通に伐木する場合でも、安全確認という意味で二人以上で作業する方が良いと思う。
滑車などを使って木が倒れる方向に人がいないようにできればいいのだが、なかなかそうはいかない。そのため、ウィンチの作業をしている人に向かって大木が倒れてくることになるため、切り始める前に必ず避難する場所と、そこに素早く移動できる動線を確保しておかなければならない。
めでたく倒れたら枝打ちをして玉切りに取り掛かる。
枝打ちには、例の『こがるmini』が大活躍。
玉切りを経験された方ならお分りだろうが、倒れた木のどこに重さがかかっているかによって、上から切るか下から切るか、もしくは突っ込み切りにするか判断するわけだが、稀にバーが挟まってしまい、どうやっても抜けなくなってしまうことがある。そんな時も相棒がいると助けてもらえる。
また、地面に倒れた木を玉切りする時、注意しないと切り終えた瞬間にチェンソーの刃が地面に当たってしまう。下が柔らかい木の葉などだと大丈夫だが、石にでも当ってしまうと、とたんに切れなくなって目立てが必要になる。
これを回避する道具がこれだ。
丸太の玉切り・薪作りの必需品 ティンバージャック(ティンバージャッキ)並行輸入品 新品価格 |
あまりに長かったり重く太かったりすると無理だが、大抵の丸太は地面から浮かせられる。
うちの薪ストーブ用に45cmに玉切りした丸太。軽トラに積むためには車まで運ばなければならない。これがまた一苦労。
太目の玉切り丸太は40kgを超える重さがあるので、抱えて歩いて持ってくるのはなかなか難しい。というか、やめたほうがいい。
それほど太くない玉切りした丸太などは、「木材トング」とか「リフティングトング」と呼ばれる道具を使うと楽である。
但し、1個で釣るのはバランスが取るのが難しいので、2個使うのが基本。
もっと細い丸太なら1個でも可能。
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これは30cm径用だが、より安い20cm径のもある。ただ、大は小を兼ねる。
それほど傾斜や障害物がないのであれば、太い丸太は転がすのが楽。
私は『くじらカギ』という道具を使っている。
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これは本当に役に立つ。
丸太を軽トラの近くまで移動したり、軽トラから下ろす時、そこから薪割り機近くまで移動させたりと、積み上げる時以外はほとんど使える。
握りの手前が絶妙な角度で太くなっていて、すっぽ抜けの危険が少ない。これは90cmなのだが、もう少しだけ長い方が使い易いかもしれない。